THE PROFESSIONALS
1966年。監督リチャード・ブルックス。主演バート・ランカスター。リー・マーヴィン。音楽モーリス・ジャール。
バート・ランカスターにリー・マーヴィン、そしてジャック・パランスである。おもしろくないわけがない。秘密結社「ジャック・パランスの息子たち」メンバーとしては避けては通れない。
残念ながらジャック・パランスの出場は少なめだが、それはまあ、いいじゃないか。
当然のことに存在感は抜群である。クラウディア・カルディナーレにせよ我らがジャック・パランスにせよ、脇を固める布陣が強烈である。
それにつけても男はランカスター。カッコいいわ。粗野だわ。頼りになるわランカスター。
というわけで「荒野の七人」の少人数版、というとやや違うのだが、まあそんな感じだ。依頼人は富豪だし助けるのは嫁一人だし、だいぶ違うが、まあそんな感じだ。
で、こんな話さ。
石油で大富豪のグラントの嫁マリアがメキシコの革命一派に誘拐されたのであった。身代金として10万ドルを要求されるが、嫁奪還のためにグラントはプロフェッショナルたちを集め、嫁を取り戻そうとするのであった。
集まったのは4人の男である。
銃器のプロフェッショナル・リコ。
馬のプロフェッショナル・ハンス。
斥候と弓矢のプロフェッショナル・ジェイク。
そしてリコの要望により爆破のプロフェッショナル・ビルの四人が集まった。
リコとビルは元々革命戦士で、誘拐グループのリーダー・ラザとは旧知の仲で、ラザってそんな奴じゃなくね?と疑問に思うのだがとりあえずマリア救出のために動きだすのであった。
中途、なんやかんやあるのたが、各自の特技を生かし危機を乗り越え革命グループのアジトに到着。特攻野郎Aチームのごとくに救出作戦を決行するのである。ところがである。ここで思わぬサプライズが。
以下ネタバレ↓
ラザとマリアはかつて恋人同士であったが、そこにグラントが現れて強引にマリアを嫁がせたのであった。つまりは誘拐犯はラザではなく、グラントだったのである。
やっぱラザはそんな奴じゃなかったね、どうする?どうする?などと議論しつつも依頼は依頼だからと抵抗するマリアを連れて引き返すプロフェッショナルたちなのであった。
もちろん最後は男たちの男気が炸裂する。そこは安心してほしい。
金と権力を盾にふんぞり返る生ゴミ以下の連中に男の怒りをぶちまけるのである。
誘拐グループのリーダーとして見ていたラザもやはり筋の通った熱い男で、ジャック・パランスが実に魅力的に演じているのであった。
素晴らしい。素晴らしすぎる。
まさに愛と革命に生きる男である。革命だかなんだか知らんが人妻を拉致するとは言語道断BABYだったのが、見事に反転、実は哀しき革命戦士なのであった。
ビルが仲間を守るために一人犠牲となり、追手であるラザの革命軍を待ち受けるシーンではランカスターの男祭りが開催されます。
ここでのビルとラザは鳥肌ものである。
リー・マーヴィンが霞むほどだ。アカレンジャーよりアオレンジャーが人気なのは普遍的なのだ。
ラスト、ビルは依頼をまっとうしたのか!と思わせてのラザとマリアにぎゅーん。である。
マカロニウエスタンでは変態指数の高いキャラが多いジャック・パランスだが、西部劇では泣かせてくれる。
いつか取り上げるが、僕の心のベストテン第1位西部劇である「モンテ・ウォルシュ」に迫るジャック・パランスである。
まあ、ここでも男を上げるのはランカスターなのだが。
馬のプロフェッショナルであるハンスの活躍が寂しいかぎりだが、弓を射るジェイクは異常にカッコいい。革命軍アジト襲撃のシーンは銃撃あり爆破ありでテンション上がりまくりは必至である。