Treasure Island
1950年。監督バイロン・ハスキン。主演ボビー・ドリスコール。音楽クリフトン・パーカー。
原作は有名な児童文学の「宝島」である。
今さらストーリーは、というのも躊躇したくなるほどの作品なわけだが、去年、久しぶりに読んでみた。あまりに古臭い翻訳で読むのが辛かったが、大人になって読み直すと、単純に善悪をセパレートしているわけではなくて、そのへんのボーダーラインをふわっとさせつつ少年の冒険譚としても当然のことに成立していて、実に面白い。
じゃあ映画は?というと、まずは余計な説明をぶわっと省略して、結構いきなりはじまる。いや、余計ではないんだけど、原作だと海に出るまでけっこう読まされるのだが映画はあっさりである。実に潔い。原作を読んでないと、ん?となりそうな気もするが、まあ、いいじゃないか。
海賊映画、というよりは少年の冒険活劇なので大人、特に海賊が馬鹿に見える。見える、ではなくて馬鹿である。なので海賊の海洋冒険ロマンを期待してはいけない。「グーニーズ」に近い感じだ。もちろん逆なのだが。
いい大人が子供相手になにをしているのだ、と思わないでもないのだが、そうでないとやはり面白くはない。言ってしまえば海賊要素も宝探し要素も少なめで、賢い子供が大人相手に奮闘する、というだけの映画なのだが、不思議と面白い。
島に置き去りにされて、孤独に生きていたベン・ガンが予想どおり、いや予想以上にベン・ガンだったのがたまらなく良かった。
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