DUE ONCE DI PIOMBO
1967年。監督マウリツィオ・ルチディ。主演ロバート・ウッド。音楽ラッロ・ゴーリ。
メキシコのガンマン・ペコスが暴れまわる痛快マカロニウエスタンである。まあ、たいていのマカロニは痛快だが。
で、こんな話さ。
ヒューストンにやってきたメキシコ人ガンマン・ペコス。ふらりとやって来たかのようだが、何やら目的があるようで町を蹂躙するクライトン一味を次から次へと倒していく。
民家の井戸で出くわした、いかにも頭の悪そうなアメリカンガンマンにいきなり早撃ちをぶちかますペコス。爽快なのであった。このご時世に観ると、より爽快なのであった。実に喉ごしのよい導入部を経てペコスはヒューストンにやって来る。この町では住民たちがなにやら恐れていて、何に恐れているのかというと、クライン一味が戻ってくるのを恐れているのであった。かつてヒューストンはクライン一味が他者を殴打する・他者を恫喝する・他者を射殺する等の狼藉三昧で、遂には保安官も常駐するのをやめてしまうという状態であった。そのクライン一味が、金を奪って逃走中の裏切り者を追って、ヒューストンに戻ってきたのであった。
↓久しぶりのヒューストンでお痛をするクライン
↓ビックリするくらい従順な住民たち
裏切り者が隠した金を探すクライン一味にペコスがからみまくって話は進んでいく。ヒューストンの夜は更けていく。
↓ペコスに隠密で協力するニーナ
↓マカロニ御用達のインチキ牧師
↓ぷぎー、とか言って最後はまさかの絞殺のクラインなのであった
スマートな感じの悪役クラインだが、とにかく素直である。何度も騙されるのである。あすこに金を隠したんだよ、と言われれば、よし、ってそこに出向く。きゃつの家に潜伏しているんだよ、と教えてもらえば、よし、ってそこに出向く。でもすべて空振りである。最後もペコスにまんまと騙される。どこか憎めない。
ペコスはもちろんカッコいいし、ハッピーエンドっぽい終わりなのだが、結局ほとんどみんな死んでしまう。いかにもマカロニウエスタンなわけだが、むわっとした感情が溢れます。というのもまたマカロニウエスタンなわけだが。
それじゃあ読者諸君、毎日は愉しいだけじゃない。哀しいだけじゃない。では失敬。