Ballata per un pistolero
1967年。監督アルフィオ・カルタビアーノ。主演アントニー・ギドラ。音楽マルチェロ・ジョンビーニ。
W主人公のひとりであるニグロスという若い賞金稼ぎがとにかくカッコいいのであった。
クサレ外道!などと叫びはしないが、ドーベルマン刑事みたいな、ちょっと違うが、黒いレザーの上下にキラキラと飾りのついたハット。そしていちいち所作がキザだ。
でもいいのだ。
もうひとりの主人公であるクッドはオヤジガンマンである。こちらもいい。設定年齢はよくわからんが、かなりの老け顔だ。でもまあ、それはいいじゃないか。ふたりのガンプレイは実に見事なんだから。
↓イケメンのニグロス↓
↓オヤジもオヤジで洒落てて悪くない↓
さらにいいのが悪い連中の頭領であるベドージャだ。彼のウィンチェスター片手撃ちが最高にカッコいい。実際にそんなことができるのかは知らないが、そんなことはどうでもいいじゃないか。
なんせベドージャは監督が兼任したらしいから。なかなか悪人面した監督じゃないか。
↓神構図である。さすが監督兼悪役。美しさ、というものをわかってらっしゃる↓
で、こんな話さ。
なにやら訳ありでベドージャを追うクッドに、賞金目当てで同じくベドージャを狙うニグロス。この二人が、じゃあ一緒にやろうよ、って単純にはいかないのだが結局は共闘してベドージャを追っていく。で、ラストで二人の運命が交錯する。
ヘドージャの悪人ぶりがなかなかよい。民家に押し入り、ここはこれから僕たちが使うから君たちは出てゆけ、などと無茶苦茶なことを言う。仲間みんなで強奪した金も独り占めしてしまうなど極悪非道である。
さらには主人公二人を手助けする爆破屋なるダイナマイトオタクオヤジ。爆破行為に並々ならぬ情熱を注ぐ、まあ、変態だ。爆発を見ると記憶が飛ぶという特異体質でもある。かように、とにかくキャラが立っている。
ストーリーとしては陳腐といえば陳腐だが、そうは感じさせない演出になっている。やたらスタイリッシュで、それが嫌味にならない。音楽もカッコいいし。実にナイスなマカロニなのであった。
↓カッコいいのでラストにもう一枚↓
それじゃあ読者諸君、毎日は愉しいだけじゃない。哀しいだけじゃない。では失敬。