片手にドーナツ、心に花束

西部劇、マカロニウエスタン、ときどきアメコミ。

【新・荒野の七人 馬上の決闘】

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Guns of the Magnificent Seven

1969年。監督ポール・ウェンドコス。主演ジョージ・ケネディ。音楽エルマー・バースタイン。

 

今日も出勤である。働きつづける〜、男たちの日々は〜、涙枯れ果てた〜、心からさ〜とエレカシを歌いながら生きる。働き方改革。

懲りないのかまたやってしまったというわけである。今回はもはやオリジナルメンバーは誰もいないのであった。役柄としてはクリスがしぶとくしがみついているが、ユル・ブリンナーではない、別の俳優になっているのであった。まったくの別人である。でもクリス。「農民の友」などと呼ばれるレジェンドになっているのであった。

さて、今回も困っているメキシコ農民がクリスに助けを求めてくる。政府に強制労働を強いられている農民たちの反政府運動リーダーであるキンテロが捕まったから助けてくれ、ってマックスという男に請われクリスは、いいよー、ってあっさり快諾。絞首刑寸前だったところを助けてやった赤シャツのキーノと共にいつものように仲間を集めるのだった。で、解雇されたばかりの黒人キャシー、南軍崩れの片腕ガンマン・スレイター、妻子もちの老ナイフ使い・レヴィ、病に侵されたP .J らが集まり、キンテロが囚われている要塞のような刑務所を襲撃するのである。

ちなみに捕まったキンテロの人は後に「ガンマン大連合」でも似たような役柄で捕まって救出される。学習能力がないのだ。

って、これが意外と面白いのである。「続」は完全に二番煎じであったが、さすがに今回は山賊に略奪される農民からは卒業し、メキシコ革命を背景に据えてきた。まあ虐げられる農民というのは変わらないわけだが、そこは仕方あるまい。前回の反省からか悪役ディエゴ大佐がなかなかの悪人っぷりを発揮していて頼もしい。農民たちを吊るす・埋めるとやりたい放題である。七人のキャラもなかなか個性的である。が。もったいないのは前回同様である。せっかくの素材がやはり生かされてなかった。黒人キャシーや片腕ガンマンのスレイター、肺病P .J の悲哀をもっと掘り下げていればラストが盛り上がったのに。スレイターやP .J なんかはもっとカッコよく撮れたはずなのに、なんか薄い。さらには全体的に画にキレがない。緊迫感や緊張感がないのである。モタっ、ってなってる。つまりはかなり凡庸な映画なのだが、なぜか好きだ。前作とは違って妙に愛着があるのだ。本当は大きな声で言いたいが、この暮らす世間ではなかなか難しい。ため息とか舌打ちとか、独り言の中に隠してる。

最後に余談。父親と引き裂かれたところを七人に助けられたエミリアーノ・サパタという子供がいて、質問が多いとやたら叱られるのだが、具体的な演出はないのだが、同姓同名の男が後にメキシコ革命において英雄視される指導者となる。なんとなーく、それを示唆するような台詞があったりして面白い。

それじゃあ読者諸君、人生は愉しいだけじゃない。哀しいだけじゃない。では、新しい一年が輝かしい日々でありますように。

 

伝説のはじまり。ここで「農民の友」は生まれたのだ。

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