明日会おうよベストな体調で

西部劇、マカロニウエスタン、ときどきアメコミ。

【豹/ジャガー】


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Il mercenario

1968年。監督セルジオ・コルブッチ。主演フランコ・ネロ。音楽エンニオ・モリコーネ。

マカロニ青春トーチカ攻防戦。これは青春映画なのであった。

人間は恋と革命のために生まれてきたのだ。などと、かつて太宰治は書いたが、まあ、そんな映画だ。メキシコ革命を背景にした若者たちの青春の蹉跌だ。ちょっと赤面しかねない。だが、とうの昔に忘れてしまった、淡い何かを思い出させてくれるような映画だ。なかなか珍奇なマカロニウエスタンである。

で、ジャック・パランス演じるカーリーのヘアスタイルが変だ。とりあえずそれは言っておきたい。秘密結社「ジャック・パランスの息子たち」の会員としては、そこは触れておきたい。触れねばならない。

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映画「豹/ジャガー」より

で、こんな話さ。

革命に敗れた若者・パコがピエロとして逃亡生活をしている。その姿を見つめるコワルスキーの回想で映画は始まるのであった。

 

もともとは資産家に護衛として雇われたコワルスキーだが、そっちの線がぐだぐだになり、そのままなんやかんやでパコ率いる革命軍の参謀・教師役として雇われる。コワルスキーは一貫して革命には距離を置いているが、パコも最初は革命ごっこレベルであった。だが、徐々に革命戦士として目覚めていくのであった。いろいろあったり、なかったり、あれがこれになりながら。

コワルスキー。もちろん「バニシングポイント」ではない。豹である。ジャガーである。日本でジャガーといえば横田だが、マカロニではコワルスキーだ。フランコ・ネロ演じるセルゲイ・コワルスキー。とにかく性格が悪い。そしてマカロニ随一の守銭奴だ。機関銃の組み立て方・使用法を伝授せよと請われ、戦闘中にもかかわらずギャランティを要求するのである。

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映画「豹/ジャガー」より

そんなこんなで各地で革命をしてまわり、変なヘアスタイルのカーリーにはストーカーのようにつきまとわれるのである。

↓各地で英雄扱いされてはしゃぐパコ↓

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映画「豹/ジャガー」より

コワルスキーを強襲したカーリーをパコが恥ずかしい目にあわせる。全裸で荒野をさまよわせる。負の連鎖は止まらない。胸をはって全裸で荒野を行くカーリー。負けてない。カーリーは負けてない。コワルスキーも冒頭でカーリーの部下のイカサマを見破り恥ずかしい目にあわせている。どうやらカーリーは根にもつタイプのようで、それからコワルスキーとパコを執拗につけまわすのだ。

互いに相容れないままくっついたり離れたりのパコとコワルスキー。きちんと契約を交わしたにもかかわらず、パコはやっぱ強欲すぎるやん、お前。って、コワルスキーを拘束しそれまで支払った報酬を巻き上げてしまう。コワルスキーも非道だったが、パコもけっこうひどい。革命は経費がかさむから、とはいえひどいじゃないか。

最後は政府軍のプロペラ機による攻撃で、革命軍はパコと嫁を残して全滅する。まあ、この嫁がパコの成長を促す存在なのだが、最後の最後でも嫁に救われるパコなのであった。

常に誰かに助けてもらってる、ちょっと頼りないパコ将軍。なかなか主体性をもって行動できないパコ将軍。だが、魅力的なのだ。

永遠に交わらない二本の直線。平行。

パコとコワルスキーは最後まで平行線のまま終わる。半年の逃亡生活の末にカーリーに見つかり絶体絶命、というところでコワルスキーに救われるパコは共に事業をはじめよう、というコワルスキーの誘いを断る

おいらには夢があるんや、国を愛してるんや、と、チャーミングな笑顔で革命戦線へと帰還していくパコ。最後に自分の進む道を自分で決めたパコ将軍なのであった。

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映画「豹/ジャガー」より

夢を見続けるんだな、だが目は開けてろ。パコにそう助言してコワルスキーは去ってく。

↓ラストバトルで背後から攻めるカーリー↓

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映画「豹/ジャガー」より

それじゃあ読者諸君、毎日は愉しいだけじゃない。哀しいだけじゃない。では失敬。

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