Al di la della legge
1967年。監督ジョルジオ・ステガーニ。主演リー・ヴァン・クリーフ。音楽リズ・オルトラーニ。
いつも小綺麗な格好のイメージがあるクリーフだが、今回はいかにもマカロニで汚ならしい出で立ちである↓
というわけでリー・ヴァン・クリーフである。でもいつものニヒルなクリーフとは少し違う。要所要所、というか女子の前で滑稽な一面を垣間見せてくれるファニーなクリーフなのであった。
で、こんな話さ。
カドリップと仲間たちは巧妙な手口で駅馬車から大金を盗み出す。大金は鉱山労働者の給金であった。鉱山の町に残ったカドリップは成り行きで保安官に任命され、町の危機を救うことになる。
まんまと給金を盗まれてしまたった鉱山会社新入社員のノバックは、落としたのかなー、なんてとりあえず探しに行くが見つかるはずもなく、さらにはちょうど出くわしたカドリップに馬を奪われる始末であった。馬を奪い、奪われ、でもなぜか仲良くタンデムで町に帰る二人なのであった。このあたりがとても面白い。
さらにカドリップはてめえでパクっておいて、給金をどうにかしろと騒ぐ鉱山労働者を説教するのである。サイコパスか。
でもカドリップとノバックは気が合い行動を共にするのであった。なのに懲りないカドリップたちは、ふたたび現金輸送があると知って一計を案じるが、ノバックの機転により失敗に終わる。
強盗に襲われたふりをしてまた給金を奪うつもりが、本物の強盗団に襲われ危機管理能力を試されるカドリップたち。悪事を働いても何故か善行とみなされ喜劇のように事は進んでいく。
結果、現金を守ったことになりカドリップは英雄視されてしまう。そんなこんなでカドリップは保安官に任命され、ふらふらしているのもいけないな、悪いことはしてはいけないな、サリーはかわいいな、などと思い、法を守る男になるのであった。
↓女子に紅茶とクッキーを同時に手渡され右往左往するカドリップなんか見たくない!
町の祭りのさなか、バートン一味がやってきて教会に人質をとって銀を要求するという事件が起きるのであった。これを契機にカドリップは悪友を切り捨て、人のために生きる道を選ぶ。といったあたりはマカロニらしさに欠けるがリー・ヴァン・クリーフだからよし。かな?
それじゃあ読者諸君、毎日は愉しいだけじゃない。哀しいだけじゃない。では失敬。