10,000 DOLLARI PER UN MASSACRO
1967年。監督ロモロ・グエッリエリ。主演ゲイリー・ハドソン。音楽ノラ・オルランディ。
いきなり二匹の流れ星が荒野で遭遇するところから映画は始まるのであった。二人はなぜか互いを意識し合うが、何事も起きることなくすれ違う。
で、こんな話さ。
賞金稼ぎと賞金首の二人が偶然に巡り会う。賞金首のマヌエルは牧場主の娘ドロレスを誘拐、ドロレス救出のために賞金稼ぎジャンゴが動き出すのだが、二人は表現しづらい奇妙な関係性を維持していく。
マヌエルに娘をさらわれた牧場主は娘の奪還をジャンゴに依頼するのだが、断られる。安いなー、どうしよっかなー、などとベッドに横たわったままジャンゴは首を縦に振らないのだ。牧場主がケチなのである。セコいのである。この時点で被害者に同情できないジョウキョウが発生する。
↓どうしよっかなー、と焦らすジャンゴ↓
マカロニではあまり色恋沙汰はないのだが、ジャンゴはミジャーヌという酒場経営者といい感じになる。ミジャーヌは西部の生活はもう嫌だなー、限界だなー、サンフランシスコにでも行きたいなー、などと熱望。
ジャンゴもまた、そだねー、などと足を洗い新しい生活を始める決意をするのだった。
でも、都会での生活には何かと金がいるよね、って牧場主の依頼を受けるジャンゴ。さっきやめるって決めたのに!
↓ミジャーヌは蹴っ飛ばすためのブーツを探すのであった↓
マヌエルの実家を訪問して二丁拳銃のジャンゴ↓
で、ジャンゴはドロレスの奪還とマヌエル殺害のために、マヌエルの実家を訪問するという暴挙に。この展開はなかなかない。そしてマヌエルのパパはマカロニ界の裏番フェルナンド・サンチョ!お名前がスターダスト!
↓マヌエルのママ↓
ジャンゴとマヌエルはなぜか殴りあって終わる。さんざん殴りあった挙げ句に語らうのである。さらにはなぜか金塊を積んだ駅馬車を一緒に強襲しようよ、ってことに。このあたりでわけのわからない二人になっているのであった。
金塊強奪の際には殺しはしないと約束したはずが、マヌエルはあっさり反故にして駅馬車の乗客を皆殺しにしてしまう。その中に、シスコ行きを熱望していたミジャーヌがいたから大変である。
サンフランシスコ行きの駅馬車だったのだ。
当たり前だが、ジャンゴはキレた。また二人は変な関係になって、ジャンゴはドロレスと金塊を奪い返してマヌエルに復讐しようとする。でも拉致された娘ドロレスが複雑な女子で、こじらせ女子で、さらわれたくせにマヌエルを好いてしまってジャンゴを裏切る。
とにかく後味の悪いタイプのマカロニウエスタンである。あそこでキッパリと足を洗っていればこんなことには。後悔先に立たず。もう殺しはたくさんだ、とエンディングで流れる。本当にそうだよね。
マヌエルも最後に「俺ら似た者同士やんか、二匹の流れ星やんか」などと、とってつけたように呟くが、確かにそんな感じではあった。
それじゃあ読者諸君、毎日は愉しいだけじゃない。哀しいだけじゃない。では失敬。