TEXAS,ADDIO
1966年。監督フェルディナンド・バルディ。主演フランコ・ネロ。音楽アントン・アブリル。
もちろん何が「無頼」なのかわからないのであった。でもそれはもう、いいじゃないか。久しぶりにフランコ・ネロである。フランコ・ネロ演じるバートは無頼どころか保安官だ。冒頭数分だけだが。
で、こんな話さ。
7才のときに殺された父親の仇を討つためにバートはテキサスを去り、すへを捨ててメキシコへ旅立つ。
バートには若くてちょいパープーな弟がいるのだが、そいつはジムというのだが、保安官職とジムを友人に任せてバートは一人でメキシコに行く。まあ、西部劇では若いイケメンはだいたい役立たずというか足手まといというか邪魔というか、とにかく半人前の男であることが多い。ジムもやはりそうで、だからこそ兄貴に置いてかれたのだが自覚がないから追いかけるのであった。
で、パパの仇はシスコという当然のことに悪い奴で、メキシコのとある町を牛耳っている。周辺の連中もビビってシスコの情報を教えてくれない。逃亡犯でもないシスコがどこにいるかなんてそんなに重要な情報とも思えないが、それを教えただけで殺されてしまうのである。実際、酒場の女子が殺されてしまった。気の毒な話だ。
そんなこんなで中途に、シスコに対して反旗を翻そうとする、虐げられてる住民のリーダーに助成を求められるが、幸運を祈る、などと体裁よく断ったり馬を盗られたりしつつも、けっこうあっさりとシスコの屋敷に到着するのだった。
遂に仇と対面したバートであったが、元保安官だけに感情に任せてその場でぶち殺すことはせず、テキサスに連れて帰って裁判にかけようと考えていた。
もちろんそんな要求に応じるシスコではなく、爆弾発言を放り投げつけるのであった。まあこの爆弾もマカロニではよく発射されるので驚くこともないが、だからここでも放り投げるが、弟ジムはシスコの息子だったん。
この辺でちょっと復讐がぐだぐだになる。
バートのパパもシスコの仲間で、悪い連中の一人だったわけで、仲間割れで殺されたのでなんか見てるこちらとしても、ああ、って微妙な感じになる。シスコ主催のパーリーで、まだなんも知らんジムはパープーなので飲んで踊って騒ぎを起こして牢にぶちこまれる有り様だ。
↓ノリノリだが、この後ジムも衝撃の事実を告げられるのであった。
Noooooo!などと叫ぶのである。
どこかで見たことがある。
ルークだ。ダース・ベイダーだ。似てる。
終盤では反乱分子にふたたび、一緒にこないか、と爽やかに誘われるバートだがまたしても、幸運を祈る、などと断るのだが今度はギリギリで舞い戻り助太刀するのである。
どこかで見たことがある。
ハン・ソロだ。チューイだ。似てるぞ。
でもなんかとってつけたような反乱で、わーって現れてわーっていなくなって最後にシスコの屋敷に突入していったのはバートだけであった。んで、ラストは大銃撃戦。情感に溢れたテーマ曲がいい。
それじゃあ読者諸君、毎日は愉しいだけじゃない。哀しいだけじゃない。では失敬。