片手にドーナツ、心に花束

西部劇、マカロニウエスタン、ときどきアメコミ。

【バンディドス】

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BANDIDOS

1966年。監督マックス・デルマン。主演エンリコ・マリア・サレルノ。音楽エジスト・マッキ。
監督は「荒野の用心棒」などで撮影監督をしてきたらしい。そのためか時折レオーネみたいな演出が見られる。銃撃戦も多く、脚本も無駄がなくて娯楽作品として非常に楽しめる。
で、こんな話さ。
かつての仲間ビリーにガンマンとして再起不能にされたマーティン。興行師となり各地をまわりながら、若い才能を物色してビリーへの復讐の機会を伺うのであった。


いきなり悪党どもの列車強盗からはじまるのであった。たまたま乗り合わせたマーティンは襲撃犯一味のリーダー・ビリーのかつての親友で、一味に対して反撃に出る。でもダメだった。さすがに一人じゃ無謀だった。最後はビリーに両手を撃ち抜かれて銃が撃てなくなってしまう。
そして時は流れる。どれくらいだろう。2年くらいかな。マーティンの没落ぶりにグシャってなる。小綺麗なスーツで名ガンマンだったマーティンは、オシャレとかどうでもよくない?明日が今日になればそれでよくない?みたいな格好になっていて、婆さんがつけてるような指先のない軍手をはめた胡散臭い興行師になっていたのだった。

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映画「バンディドス」より
マーティンは機を狙っていた。それは復讐か。違う。そうじゃない。落とし前だ。ビリーに落とし前をつけるためだ。曲芸撃ちの興行師となり弟子をとってリッキーと名付け、ガンマンとして育て、よし、って時がきたらビリーと対決させるつもりなのだ。非常にまわりくどい戦法である。
だが、いい感じのリッキーがなかなか育たない。せっかく育てた弟子もビリーとやる前に無法者に殺されてしまう始末だ。チキショーって、自棄になって悪い三人組相手に挑んだマーティンだったが両手が不自由なので劣勢になりそこを流れ者に助けてもらう。で、お前いいじゃん、ということで流れ者を新リッキーとして雇うのだが、新リッキー(仮名)もまたなにやら訳ありなのであった。
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映画「バンディドス」より
早撃ちか、と思わせるような風貌の新リッキー(仮名)だったが、銃の腕前はまあまあ、といったところでマーティンは新リッキー(仮名)をガンマンとして育てていく。しめしめ、そう思ったのは新リッキー(仮名)も同じなのであった
マーティンがビリーに用事があるように、実は新リッキー(仮名)もビリーに用事があるのであった。そのために新リッキー(仮名)は脱獄し、マーティンにすり寄ったのである。金はもらえる、銃の腕前は上がる、ビリーに近づける、いいことばがりだね。
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映画「バンディドス」より
で、ビリーに銃を教えたのはマーティンであった。すなわちビリーは新リッキー(仮名)の兄弟子というわけだ。ラストの構図はスターウォーズである。ビリーがダース・ヴェイダー、マーティンがオビワン、新リッキー(仮名)がルークだ。ビリーはダークサイドに堕ちてしまったのだ。
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映画「バンディドス」より
主要キャラ三人がとにかく魅力的なわけだが、とりわけ悪役のビリーがカッコいい。熱演しているがマーティンは残念なオヤジになってしまってるし、新リッキー(仮名)も成長過程ということで真のガンマンらしさに欠けるところがある。なので余計にビリーが光る。細かいところで凝った演出やカメラワークがあり、なかなか偏差値の高いマカロニウエスタンなのであった。
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映画「バンディドス」より
それじゃあ読者諸君、毎日は愉しいだけじゃない。哀しいだけじゃない。では失敬。



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