La resa dei conti
1967年。監督セルジオ・ソリーマ。主演リー・ヴァン・クリーフ。トーマス・ミリアン。音楽エンニオ・モリコーネ。
オープニングがカッコいい。のはマカロニウエスタンではよくあることなわけだが、リー・ヴァン・クリーフだとその打率も跳ね上がる。ような気がする。というわけで賞金稼ぎのコーベットを演じるリー・ヴァン・クリーフと、クチーヨを演じるトーマス・ミリアンである。
こんなことが許されるのか!という組み合わせだ。こんなことが許されるからマカロニはたまらないののさ。
で、こんな話さ。
賞金稼ぎコーベットは町の有力者ブロクストンの依頼で、少女暴行犯のクチーヨを追跡するのだが。
↓リークリ以外の何者でもない後ろ姿!
冒頭のコーベットの登場がステキすぎる。うしろ姿だけで、ずすん、となります。
でもリー・ヴァン・クリーフが選挙に出馬!世も末である。あのクリーフがパーティーでロビー活動みたいなことをしてる!やめてえ、と思ったらちゃんといつもの感じに戻るのであった。
町の有力者ブロクストンに頼まれた仕事で。まあ、このブロクストンが西部の町の有力者だから善人ではないのは自明なことである。
全身から悪いオーラを発している。なんせ護衛役に男爵を配置しているのだ。
出た!男爵!以前にも書いたが、男爵とは悪である。いや、悪とは男爵である。
このシュルンベルグ男爵は貴族っぽさは希薄なのだが、その代わり殺人マシーンのような、血液が流れてないような感じで、初対面からコーベットと手合わせを望むのである。期待が膨らむ男爵である。
コーベットがいつものクリーフ、ああクリーフだ、って感じになると、クチーヨを追いかけ、逃げられ、追いかけ、逃げられのくり返しである。
俺たちのリー・ヴァン・クリーフがいいようにやられるのだ。
さすがはクチーヨ、というかトーマス・ミリアンである。逃亡しているクチーヨは逃亡中という緊迫感もなく、おほほほ、とすり抜けていくのだ。
中途でコーベットはクチーヨの嫁に会いに行くのだが、そこでメキシコの警察に捕まってしまう。そこの署長がフェルナンド・サンチョス。よし。
顔見せ程度の登場だか、やはりうれしい。
少女暴行事件の真相が明らかになると、コーベットはクチーヨに協力して真犯人を倒す舞台を整えてあげるのだ。さんざん犯人扱いして追いまわしたことは忘却の彼方である。実に潔い。
んで、クチーヨの次はコーベットである。
遂にシュルンベルグ男爵との対決。ここで「エリーゼのために」のような曲が流れる。非常にカッコいい。
だが男爵はやや期待はずれだ。ハードルを上げすぎた。コーベットを負傷させるも、あっさりとやられる。もう少し、なにか色々とやってくれるかと思ったが、そうでもなかった。
見掛け倒しってやつだ。
でもまあ、そうなるとルックスは合格なわけだからよしとしようよ。それがマカロニウエスタンだ。
誰もトーマス・ミリアンが凶悪暴行犯だとは思ってないし、冒頭で怪しさ120%の男が登場しているわけなので脚本に意外性はない。
でも面白いのである。
それがマカロニウエスタンである。
登場シーンの9割がぺろーんとしてるトーマス・ミリアンも最後の対決ではきめてくれる。
ナイフ対ピストルの対決で、きっちりナイスな横顔を披露してくれる。しびれるなあ。
正式な続編がつくられるが、クチーヨ主演なのも首肯せざるを得ない。