片手にドーナツ、心に花束

西部劇、マカロニウエスタン、ときどきアメコミ。

【マッケンナの黄金】


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MACKENNA'S GOLD

1969年。監督J・リー・トンプソン。主演グレゴリー・ペック。音楽クインシー・ジョーンズ。

グレゴリー・ペックである。当然のことにいい人である。最初から最後までいい人である。ペック演じるマッケンナはいい人である、が、黄金探索の冒険譚なのに、黄金に無関心なのであった。存在を否定すらするのであった。ひどくつまらない男である。みんなで、黄金手に入れたらどうします?なにを買いますん?ワッショイ、って盛り上がっているさなかでも、黄金なんてあるわけないじゃないですかぁ、などと空気を読まずに興醒めなことを吐かすのである。みんなも、なんかアイツ嫌だよな、つまんねえよなと思いつつも黄金の在処を知っているのはマッケンナだけなので連れていかざるを得ないのであった。

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映画「マッケンナの黄金」より

で、こんな話さ。
偶然にもアパッチ族伝承の黄金の在処を示す地図を手に入れた保安官マッケンナは、黄金をゲットするためなら殺人も厭わない連中に引き込まれてしまう。なぜならマッケンナはチョー貴重な地図を燃やしてしもうたからである。黄金の在処はマッケンナの頭の中にしか残っていないので、色んなグループが合流して黄金探しがはじまる。

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映画「マッケンナの黄金」より

というわけで、あとは黄金があるという「失われたアダムス」とかいう谷を目指して前進するだけである。出発直前に仲間が増えるが出発後しばらくして早くも殆どの仲間が殺されてしまう。なかなか大変な旅路である。マッケンナはネイティブの女性に欲情され、人質として連れ去られた判事の娘はネイティブの男に欲情されたりと面倒も多い。当然のことにマッケンナと判事の娘はいい感じになる。あらゆる人間の欲望が剥き出しになるというわけだ。最後に黄金は発見されるのかどうか、というのは伏せておくことにしよう。

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映画「マッケンナの黄金」より

よくインディアナ・ジョーンズの先駆けのような作品と評されているが、確かにそのようなシーンが点在している。「失われたアダムス」への手がかりなんかは「レイダース」「魂の井戸」を発見するときと似ている。スピルバーグは恐らくこの映画が好きなのだろう。後世にかなりの影響を及ぼした映画なのだ。西部劇というには少し趣が異なるが、オープニングから西部の大自然を満喫できる。とくにハゲ鷹の主観のようなアングルでの撮影は圧巻である。「失われたアダムス」到着での特殊効果は西部劇ではなかなか見られないので必見である。

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映画「マッケンナの黄金」より

それじゃあ読者諸君、毎日は愉しいだけじゃない。哀しいだけじゃない。では失敬。