POCHI DoLLARI PER DJANGO
1966年。監督レオン・クリモフスキー。主演アンソニー・ステファン。音楽カルロ・サヴィーナ。
なかなかウエスタンのほうが更新できないなあ。もっとさくさく書きたいなあ。毎日のように更新している人たちがうらやましいなあ。なあ。
そんでジャンゴである。もちろん、あのジャンゴではないのであった。名前もジャンゴだったりリーガンだったり。マカロニ全盛期なだけあってB級ソウル炸裂の実に清々しいウエスタンなのであった。さすがはアンソニー・ステファンである。マカロニ第4の男アンソニー。
で、こんな話さ。
賞金稼ぎのジャンゴは鉱山会社の金を強奪した連中をさらっと片付けるのだが、いや、でも、まだ、などと雇い主が煮えきらぬことをぬかすので内輪もめで死んだとされるリーダーのジム・ノートンの双子の弟であるトレバーに会いにモンタナって町に行くのであった。やれやれ。
モンタナ。それがトレバーのいる町。行く中途でジャンゴは殺された保安官を発見し、うわ、とか思いながらモンタナに着くとその保安官と間違われ、まあいいかと賞金稼ぎのくせにそのまま保安官に成り済ますのであった。
そんなどこか適当なモンタナでは、牧場主のアモスと農場主のトレバーが争っていて、なんちゃって保安官ジャンゴはその争いに巻き込まれていく、という構図は「荒野の用心棒」に近い。
でもジャンゴは両陣営を平等に見るわけではないので、少し違う。
賞金稼ぎのくせになんやかんで保安官として町の争いごとを片しながらも、トレバーってやっぱジムなんじゃね?死んでないんじゃね?とジャンゴは探りを入れるのである。
忘れちゃいけない。保安官職に就くためにモンタナに来たわけではない。トレバーを調べにきたのだ。
さらにはかつてジムの手下だった二人の男が今は実に都合のよいことに反対勢力であるアモスに雇われていて、やっぱ二人も、トレバーってジムなんじゃね?と疑っていたのであった。
さらにさらにジャンゴが遠慮なくアモスの手下を捕縛したりするからアモスの不興をかって、新任保安官は町に来る前に殺したはずなのにおかしいよね、たどり着いたらいつも雨降りだよね、ていうかあいつ偽保安官なんじゃね?と疑われるのだ。いや、正しいんだけど。めんどくさ!
ジャンゴはトレバーが死んだはずのジムではないかと疑いつつ、ジムの娘と男女交際しそうになったりでアモスとの争いではトレバーに肩入れし、鉱山会社の金の回収が目的なのだが、なんやかんやで保安官の職務をこなしているのがとても愉快だ。
でまあ、マカロニなので暴露しますけどトレバーはやっぱりジムで、ジムは自分の娘を自分は死んだから弟のトレバーに預けるわけだが実際はトレバーはジム、自分で自分に預けてるだけなわけで、双子とはいえ娘も気づけよ、とか、じゃあトレバーはどこにいるのとか、色々と思うところもあるが、そんなことはいいじゃないか。
ステファンのガンアクションも悪くない。最終決戦ではアモスが放り投げたダイナマイトを手負いの状況ながらもジャンゴは空中で撃ち抜き、ダイナマイトは宙で爆発。宙で爆発したわりにはアモスは見事に爆死。あれ?って思ったけど、そんなことはいいじゃないか。
それじゃあ読者諸君、毎日は愉しいだけじゃない。哀しいだけじゃない。では失敬。
↓ 俺たちのB級スター。アンソニーのその他。