片手にドーナツ、心に花束

西部劇、マカロニウエスタン、ときどきアメコミ。

【荒野の七人】

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THE MAGNIFICENT SEVEN

1960年。監督ジョン・スタージェス。主演ユル・ブリンナー。スティーブ・マックイーン。音楽エルマー・バーンスタイン。
いわずとしれた西部劇の名作である。近年にもリメイクが公開されたよね。正確にはリメイクのリメイク。オリジナルもリメイクもリメイクのリメイクも傑作って、なかなかないよね。

で、こんな話さ。
定期的に盗賊に襲撃されるメキシコの村を救うために、ガンマンのクリスとヴィンは有志を募る。集まった7人の猛者たちは村人に戦いかたを教え、盗賊を迎え撃つのである。
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映画「荒野の七人」より

で、誰が一番好きなんだよ、などと問われればやはりそこはブリットなのであった。ブリットである。寡黙なキャラ好きというのもあるが単にジェームズ・コバーン好きというのもある。けれども年齢を重ねていくと色々と変わることがあるようだ。最近ではチコとベルナルドがたまらないのだ。

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映画「荒野の七人」より

僕たちはチコだ。チコなのであった。
チコとは七人の中で最年少のお豆みたいな男だが、農民の出でガンマンに憧れてクリスたちにストーカーのようにつきまとった挙げ句に仲間入りする若者だ。大人になったらガンマンに/西部一の早撃ちに/学校や塾はガンマンに/関係ない必要ない、と歌ったのはハイロウズなわけだが、そういうことなわけだ。ウエスタン好きはガンマンに憧れるのだ。

畑なんか耕してられるか!会社になんて行ってられるか!などと思ったりする。ここではないどこかで本当の人生が待っているはずだと思ったりする。でもそんなことはない。どこまで行こうと「ここ」は「ここ」でしかなく、「どこか」にたどり着くことはない。現実は大きくて堅い。だから僕たちはチコなのだ。

チコは銃で人生を変えようとするが、戦いを通して、本物のガンマンたちと接することでこれは違うな、僕には向いてないなと気づく。そして最後に本来の自分に帰還することを決意するのである。僕らが明日も働くように。


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映画「荒野の七人」より
もちろん、やっぱ、どうしたって、この二人はカッコいいわ。永遠にたまらない二人だわ。


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映画「荒野の七人」より

僕たちは教えられる。ベルナルドに教えられるのであった。
ブロンソン演じるベルナルドは臆病だ卑怯だと自分たちのパパを軽蔑する子供たちを叱るのであった。

パパたちは臆病でも卑怯でもない、銃なんか持たなくても勇敢な男だ、重い責任を背負って死ぬまでそれを守りつづける、誰かに言われてやってるわけではない、家族を愛してるからやるのだと。毎日ラバのように畑で汗水流して働くことこそ真の勇気だと子供たちを諭すのであった。な、涙が、涙がとまりません。


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映画「荒野の七人」より

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映画「荒野の七人」より

ただただ男たちの男としての生き様・死に様だけを描いた映画ではない。
荒野の七人の一人になりたい。男として輝きたい。でもなれない。そんな僕ら。一見して無様でカッコ悪い生き方をしている僕ら。でも、そんな僕らこそ本当の勇気を持って生きていると背中を押してくれる七人なのだ。ありがとうベルナルド。ありがとうチコ。僕は今日もがんばるよ。

それじゃあ読者諸君、毎日は愉しいだけじゃない。哀しいだけじゃない。では失敬。

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