片手にドーナツ、心に花束

西部劇、マカロニウエスタン、ときどきアメコミ。

【西部開拓史】


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HOW THE WEST WAS WON

1962年。監督ヘンリー・ハサウェイ。ジョン・フォード。ジョージ・マーシャル。出演ヘンリー・フォンダ。ジョン・ウェイン。グレゴリー・ペック。ジェームズ・スチュアート。音楽アルフレッド・ニューマン。

東部から開拓民として西部に向かうプレスコット一家のストーリーである。全5章からなるオムニバス映画で、シネラマという方法で撮影されたものだそうだ。よくわからんが、とにかく大迫力の画面で堪能できるらしい。映画館では。所蔵しているのは古いDVDなので画面が3分割されたような縦線が入っている。見にくい。Blu-rayではこの分割ラインが消えてるそうだ。今買うならBlu-rayだろうな。迷うことなく。

で、こんな話さ。

第1章 The Rivers
監督ヘンリー・ハサウェイ。
1830年代末。プレスコット一家はオハイオ川を筏で移動するのである。東部から西部へと引っ越すだけでも命がけの時代である。長女イブがマウンテンマンのライナス(ジェームズ・スチュアート)と男女の関係になる。f:id:wataridori73:20191101132719j:image

 

第2章 The Plains
監督ヘンリー・ハサウェイ。
1850年代。次女のリリーはセントルイスのキャバレーで歌手をしていた。パトロンの金鉱の相続権を得たリリーに急接近したのがギャンブラーのクリーヴ(グレゴリー・ペック)である。好き?嫌い?みたいな感じのリリーであったが、たどり着いた金鉱は掘り尽くされて廃墟となっていた。じゃ、と言ってクリーヴは去っていった。でも。f:id:wataridori73:20191101132744j:image

 

第3章 The Civil War
監督ジョン・フォード。
1860年代。イブとライナスの長男セブは野良仕事が嫌なので南北戦争へ出兵した。でもやっぱ戦争も嫌だった。でも終戦後も軍に残った。

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第4章 The Railroad
監督ジョージ・マーシャル。
1860年代。セブは大陸横断鉄道工事で先住民の襲撃に備える騎兵隊の隊長に任命される。でもセブは何よりも工事優先の現場監督キングと対立してしまう。セブが危惧したとおり、キングの剛腕ぶりによって先住民との対立が深くなってしまう。セブは死んだパパの友人であったスチュアート(ヘンリー・フォンダ)と協力して局面に対峙するのであった。f:id:wataridori73:20191101133205j:image

 

第5章 The Outlaws
監督ヘンリー・ハサウェイ。
1880年代。軍を辞めたセブは保安官になっていて、借金返済のために屋敷などすべてを売り払った叔母のリリーとアリゾナに移住することにした。だが以前に射殺した男の弟であるギャントが町に現れ、宣戦布告される。合法的に殺したろ、と考えたセブは一計を案じる。f:id:wataridori73:20191101133225j:image

 

深く考えてはいけない映画である。アメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人のための西部開拓史である。大画面によるアクションと豪華な俳優たち、小ネタ、素晴らしい音楽を堪能すればいいのである。

第1章、河賊の手下でリー・ヴァン・クリーフが出ている。マカロニ覚醒前のリー・ヴァン・クリーフを発見したときはたいてい残念な気持ちになる。ワイルドなジェームズ・スチュアートも見ものだ。「河」というタイトルなだけあって河下りのシーンは迫力がある。
第2章、リリー役のデビー・レイノルズの夜営中に歌って踊るシーンは圧巻である。ちなみに彼女は「スターウォーズ」のレイア役キャリー・フィッシャーのお母さん。
第3章、チョイ役でジョン・ウェインが出てる。立ち話をしてるだけだが、さすがの存在感である。また、セブに一緒に逃げようと誘う南軍捕虜をラス・タンブリンが熱演。「サンダ対ガイラ」と言えばわかるだろう。セブは「Aチーム」のハンニバルである。
第4章、セブのパパの友人なだけあってやはりワイルドなスチュアートはヘンリー・フォンダである。バファローハンターである。何をやってもカッコいいヘンリー・フォンダである。
第5章、考えがコロコロ変わるセブを恨むギャントにイーライ・ウォラック。マカロニではないほうにも出演しているのか。てことはつまり「続・夕陽のガンマン」の3分の2が登場する西部劇、ということだ。どうでもいいことだが。

ラストは西部開拓時代から現代アメリカの空撮へ繋がっていく。U.S.A!U.S.A!U.S.A!と連呼したくなる。しないけど。アメリカ万歳!と両手を挙げたくなる。挙げないけど。正直なところ、この映画を見てもあまり西部開拓史という歴史を感じることはなかった。むしろ西部劇史である。西部劇オールスター感謝祭だろう。それでいいのである。だから本記事も小ネタ紹介みたいになった。それでいいのである。

それじゃあ読者諸君、毎日は愉しいだけじゃない。哀しいだけじゃない。では失敬。